Chapter 144
九条社長を落とせ!(続き)
桜井奈緒は怒りをあらわにした。「失敗?望月麗奈と二人で行って、どっちかが見張りを引きつけてる間にもう一人が九条社長に会いに行くって考えなかったの?あんたたち豚なの?」
「えっ、一人で行ったの?」
月島瑠奈の言葉を聞き、桜井奈緒はあまりの怒りに胸が痛くなった。
二人で行かせたのは、お互い助け合うためだったのに、まさか月島瑠奈が勝手に単独行動するとは思わなかった。
一体何を考えているのか!
自分一人で何とかなるとでも思ったのか?
月島瑠奈はひどく気まずそうに、小さな声で言った。「奈緒、ごめん、九条社長に会うのがあんなに難しいとは思わなかったの。真壁さんに止められて、警備員に追い出されちゃって……どうしようもなかったの!」
月島瑠奈が桜井奈緒の言い訳を聞いたとき、眉をひそめた。
彼女は苛立たしげに言った。「今すぐ望月麗奈を探して、一緒に中へ入るのよ。一人で九条社長に会えるなんて思わないで、わかった?」
思い返せば、あの時九条悠真ですら九条蓮に会うために相当な苦労をしたのに、結局会えなかった。
それなのに月島瑠奈は一人で行った。頭が足りないのか、自信過剰なのか、どっちにしても腹立たしい!
本当にイライラする。
今度こそ、ちゃんとやってくれて、余計な心配をかけないでほしいと願うばかりだった。
月島瑠奈は「はい、わかりました!」と答えた。
…
その頃、高橋美咲は月島瑠奈が追い出されたことを知った。
彼女は九条凛に桜井奈緒の動きを見張らせており、九条凛はすでに真壁直人と連絡を取っていた。
月島瑠奈が追い出された瞬間、九条凛はすぐにその行動を把握し、高橋美咲に報告した。
「ははは、もうお腹痛い!九条インターナショナルに潜り込んで美咲を陥れようとしたのに、まさか追い出されるなんて、笑えるわ。」
「たぶん、まだうちの兄が全部知ってるって気づいてないんだろうね。」
高橋美咲はそれを聞いて目を細めた。
もし桜井奈緒が自分を陥れようとしているなら、今回失敗したら必ず別の手を考えるはず。
だったら、逆に利用してやればいい。
しばらく考えた高橋美咲は、ふっと笑って「凛、ちょっとお願いがあるんだけど」と言った。
「ちょっと、何よ今さら遠慮して。言ってよ。美咲のためなら火の中水の中でも行くから!」
「もちろん、反撃するわよ。」
その一言で九条凛は一気に興味を持ち、「どうやって反撃するの?」と身を乗り出した。
今度は月島瑠奈ももう勝手な行動はしなかった。彼女は望月麗奈を探し、一緒に九条インターナショナルへ行って九条社長に会おうと頼んだ。
望月麗奈は、月島瑠奈が自分に黙って勝手に九条インターナショナルに入ったうえ、失敗してからやっと頼ってきたことに激怒し、皮肉たっぷりに罵った。
「月島瑠奈、このクソ女!私に隠れて九条社長に会いに行くなんて、よくやるわね!」
「麗芬、別に隠すつもりじゃなかったの。悪かったってば。今こうして一緒に行こうって頼んでるじゃない。怒らないで。これが片付いたら、また九条インターナショナルに戻れるんだから。」と、月島瑠奈は自分が悪いと分かっているので、必死になだめた。
「はいはい、どうせ失敗しなきゃ私のことなんて思い出さなかったくせに。まさか一人で九条社長に会えると思ったわけ?」と望月麗奈は冷たく鼻で笑った。
望月麗奈は月島瑠奈の性格をよく知っていた。うまい話があれば自分のことなんて絶対考えない女だ。
結局、月島瑠奈はあれこれとお世辞を言い、長い時間をかけてなだめ、ついには大事なブランドバッグまで差し出して、ようやく望月麗奈の怒りが収まった。
二人は慎重に計画を立て、夕方の退勤時間に再び中へ入ることに決めた。
その時間なら九条インターナショナルの出入りも多く、目立たずに紛れ込める。顔を覚えられるリスクも減るはずだ。
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