Chapter 599
本当に高橋美咲と一緒にいる(続き)
その言葉が落ちるや否や、会場は騒然となった。
その日、柳小路は彼に報道を抑えると約束していたが、高橋美咲のために、岩瀬一真はもう何も気にしなくなっていた。
もともと陣内彬が場をかき乱したことで、皆が高橋美咲の状況を疑い始めていた。そこへ岩瀬一真が現れてあんな発言をしたことで、高橋美咲が本当に不倫関係にあったと誰もが確信した。
会場の隅では、別の記者が最初からライブ配信を始めていた。
高橋美咲の一挙一動、発言のすべてがカメラに収められていた。視聴者もどんどん増え、岩瀬一真が登場してあの発言をした瞬間、コメント欄は怒りの声で埋め尽くされた。
「本当に最低。こいつ愛人だったのか」
「このメゾン・ヴェルヌのブランドマネージャーらしいけど、まさかこんなことするなんて」
「一生このブランドは買わない!絶対に不買だ!」
ライブ配信のコメント欄は高橋美咲への軽蔑や罵倒で溢れていた。
会場も落ち着きを失い、記者たちは岩瀬一真が現れた瞬間、スクープを狙って一斉に彼を取り囲み、質問攻めにした。
岩瀬一真も全く怯むことなく、好き勝手に話し始めた。
「そうだよ、ずっと連絡を取り合ってた。本当に好きなのは高橋美咲なんだ」
「みんな、どうか祝福してほしい」
「いや、俺は離婚するつもりだ。高橋美咲は浮気相手じゃない。だから彼女を責めないでくれ」
高橋美咲はその場に取り残され、誰にも相手にされなかった。森川茉莉が隙を見て駆け寄り、怒りと不安を滲ませて「高橋マネージャー、どうしましょう?岩瀬一真さんがあんなこと言ったら、黄河に飛び込んでも潔白は証明できませんよ!」と訴えた。
九条社長は高橋美咲の夫じゃなかったのか?
彼はこのことを知っているのだろうか。今、九条社長はどこにいるのか?
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高橋美咲は眉をひそめた。今ここで岩瀬一真を追い出せば、かえって自分がやましいことをしているように見えてしまう。
だから、岩瀬一真を追い出すこともできず、しかもみんなが納得するような対応を考えなければならなかった。しかし、どうすればいいのか——。
…
その頃、柳小路のオフィスでは——。
佐伯葉月と柳小路は高橋美咲のライブ配信を見ていた。
高橋美咲がこんな窮地に追い込まれるのを見て、佐伯葉月は口元をほころばせ、久しぶりに気分が晴れやかになった。
彼女はスマホを軽く指で叩きながら、ライブ配信のリンクを九条会長に送信した。
高橋美咲の現状を見れば、きっとあんな汚れた女のことを嫌うに違いない。
そうなれば、九条蓮が彼女と一緒にい続けることなんてできるはずがない。
柳小路の方も、予想通り岩瀬一真が高橋美咲の新作発表会に現れ、しかも堂々と自分と高橋美咲の関係を認めたのを見て、思わず冷笑し、満足げな表情を浮かべた。
彼女は鼻で笑い、「高橋美咲があんなに憎たらしいからよ。これでスキャンダルに巻き込まれて、メゾン・ヴェルヌのジュエリーも売れなくなるわ。ニアとのコンペの時には、高橋美咲の負けね!」と言った。
佐伯葉月も微笑みながらうなずいた。「やっぱりあなたはすごいわ。岩瀬一真をうまく説得して、高橋美咲の発表会を台無しにしたんだもの。」
柳小路はすぐに謙遜して、「そんなことないわ、葉月がアドバイスしてくれたからよ。あなたがいなかったら思いつかなかったわ。」と返した。
二人が謙遜し合っていると、突然ライブ配信から怒号が響いた。
二人は動きを止め、同時にスマホの画面を見つめた。
その瞬間、発表会場は再び怒号で混乱に包まれた。
岩瀬一真は最初、落ち着いて高橋美咲とのことを話していたが、まさか金城茉莉奈が突然現れるとは思ってもいなかった。
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